血液のめぐり
心拍数を変えて、心臓が1分間に送り出す量を計算します。赤いひとしずくを追いかけると、大動脈では速く、毛細血管ではとてもゆっくり流れます。なぜゆっくりなのかも、動きで見ます。
教育用の簡略化モデルです。医療の助言ではありません。
心臓と2つの輪
いまの場所: 大動脈 酸素が多い血
左の心室から勢いよく出ていく太い管です。通り道が細いので、流れは速くなります。
流れる速さの目安: 20-40 cm/s 資料によって幅があります。
画面の動きは見やすく縮めた速さです(本物の差はもっと大きい)。
心臓が送り出す量(計算)
約70 mL が目安で、資料では60〜100 mL ほどの幅があります。 安静にしているときの心拍数は、60〜100回/分ほどがひとつの目安です。ここでは判定はしません。
計算
70 mL x 70 回/分 = 4,900 mL/min (= 4.9 L/min)
ひとめぐりの時間(計算上の目安)
5,000 mL / 4,900 mL/min = 約61 秒
血液量 ÷ 1分間に送る量 で求めた、平均の目安です。実際は通る道によって時間が違い、測った値ではありません。
なぜ毛細血管ではゆっくりなの?
血が流れる量は、どこでも同じです。そのため、流れの速さ × 通り道の広さ(断面積)は、どこでも一定になります。毛細血管は1本ずつは細くても、全部を合わせた断面積は大動脈の約900〜2,000倍になります(資料の断面積から計算)。そのぶん、流れは同じ割合だけゆっくりになります。
これまでの心拍数の合計(計算)
計算
1日あたり: 70 x 60 x 24 = 100,800
合計: 100,800 x 365 x 40 = 1,471,680,000
約14.7億回
心拍数が一生ずっと同じという仮定の計算です。実際は運動や睡眠、年齢で変わるので、あくまで目安です。
「血管をつなぐと地球2周半」は本当?
よく聞く「約10万km、地球2周半」という数字は、事実として確かめられていません。もとは1922年ごろの本にある計算で、「筋肉50 kgの人」と「毛細血管がとても密」という仮定を置いて、筋肉の毛細血管だけを数えたものとされています。その後の研究では、この仮定は今の測定値よりかなり大きく、今の推定はもっと短いとされています。本当の長さは、はっきり分かっていません。下の計算で、仮定を変えると答えが何倍も変わることを確かめられます。
この仮定での計算結果(筋肉のみ)
約6,900 km
仮定を置いた計算であって、実際の長さではありません。
教育用の簡略化モデルです。医療の助言ではありません。
遊び方
「自動で動かす」を押すと、赤いひとしずくが心臓を出て全身、肺をめぐります。止めて、位置のスライダーや場所のボタンで好きな所へ動かすこともできます。下では心拍数を変えて、心臓が1分間に送り出す量を確かめ、年齢と心拍数から心拍数の合計の目安も計算できます。
もっと知る
心臓の右側は、全身から戻った血を肺へ送り(肺循環)、左側は、肺で酸素を受け取った血を全身へ送ります(体循環)。左右が送る量は同じなので、血は8の字を描いてめぐります。1回に約70 mL(資料によって60〜100 mL)を、1分間に70回送り出すと、約5 L/分です。これは体の血液量(体重70 kgで約5 L、体重の約7〜8%)とほぼ同じなので、割り算をすると、ひとめぐりは平均して約1分という計算上の目安が出ます。ただし、これは測った値ではなく、血液のすべてが同じ道を通るわけでもありません。流れの速さは、大動脈で秒速20〜40 cm、毛細血管で秒速0.3〜1 mm、大静脈で秒速10〜20 cmほどとされますが、資料や条件(安静か、ピークか平均か)で幅があります。血の循環は、17世紀にウィリアム・ハーヴィーが1628年の本で、心臓が送る血の量を見積もって「血は作られ続けるのではなく、めぐっている」と論じたことで広く知られました。ただし循環を一人で見つけたわけではなく、肺をめぐる流れは、それより前にイブン・アン=ナフィース(13世紀)やセルベトゥス(16世紀)らが述べたとされます。ハーヴィーは毛細血管の存在までは予想していませんでした。この作品では、心臓の弁、血圧、血液の成分、運動時の変化は扱いません。数値は大まかな目安で、医療の診断や健康指導には使えません。