痛み止めのしくみ

細胞の中では、酵素(COX)が材料から、痛み・熱・はれにかかわる物質をつくっています。架空の痛み止めで酵素をふさぐと、何がどれだけ減るのかを図で見ます。

材料COX-1いつも働く胃を守る物質量 1.00COX-2炎症で増える痛み・熱・はれの物質量 1.00▨ ふさがれた分

くすりP: COX-1 と COX-2 を同じくらいふさぎます。

痛み・熱・はれの側: 1.00 (薬なしでは 1.00)

胃を守る側: 1.00 (薬なしでは 1.00)

くすりP: COX-1 と COX-2 を同じくらいふさぎます。 IC50: COX-1 = 2, COX-2 = 2. (0〜1の目盛り) 薬なしでは: COX-1 = 1, COX-2 = 1.

ふさがれた割合 = 薬 ÷ (薬 + IC50) できる量 = 薬なしの量 x (1 - ふさがれた割合) IC50 は「半分ふさぐのに要る薬の量」で、小さいほどよくふさぎます。

同じ量の薬で、痛み・熱・はれの側が下がる一方、胃を守る側も下がります。2つは同じ酵素の仕事から出てくるため、片方だけを都合よく減らすことはできません。

酵素ごとに効き方が違う薬(くすりQ)だと、守る側があまり減らないようにも描けます。ただしこれは架空の薬の簡略モデルで、実際の薬の効き方や副作用は表していません。

別のタイプの痛み止めについて

痛み止めには、しくみがまだ研究中のタイプもあります(例: アセトアミノフェンと呼ばれる成分)。この仕組みの図で動かしている薬と同じとも違うとも、ここでは言いません。図の中では動かしません。

市販薬も含め、使い方に不安があるときは薬剤師に相談してください。

「COX は工場、薬は工場の入口をふさぐもの」という簡略化の絵です。実際の細胞の中は、もっと複雑です。

遊び方

「自動」で、くすりP、続けてくすりQの量を少しずつ増やしていきます。止めて、薬の種類・量・からだの状態を自分で動かすこともできます。2つの物質の量の変わり方を比べてください。名前も数字もすべて架空です。

もっと知る

シクロオキシゲナーゼ(COX)は、アラキドン酸という材料から、プロスタグランジンという物質をつくる酵素です。プロスタグランジンは、炎症・痛み・発熱にかかわります。COX には COX-1 と COX-2 があり、COX-1 はいつも働いて胃の粘膜を守るなどの通常の働きを支え、COX-2 は炎症などのときに増えるとされています。NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる種類の痛み止めは、COX をふさいで、プロスタグランジンの産生を減らします。薬ごとに、COX-1 と COX-2 への効き方の程度は少しずつ違います。1971年にジョン・ベイン(John Vane)が、アスピリンのような薬がプロスタグランジンの合成をじゃますることで効くと示し、1982年にはプロスタグランジンの研究でノーベル生理学・医学賞が贈られました(アスピリン自体は、ずっと昔から使われていた薬です)。

読みもので詳しく: くすりが効くしくみ →