頭の中で回す、折る、積む

立方体の展開図、積み木の数え方、折り紙に開けた穴、4つの立方体の塔。目の前にないものを、頭の中で動かす力(空間のセンス)を使う4つの遊びです。

紙の上の絵を見て、立体を思いうかべる。立体を回して、反対側を想像する。こうした力を「空間のセンス」と呼ぶことがあります。ここの4つの作品は、その練習になる遊びです。

立方体の展開図(このサイトの「立方体の展開図」)

立方体を辺に沿って切り開いて、平らに広げた図が展開図です。6つの正方形をつなげた形は、回したり裏返したりして同じものを1つと数えると、35種類あります。そのうち、立方体に折りたためるのは11種類です。 プログラムで、35種類のすべての形を調べて、ちょうど11種類が折れることを確かめました。立体の中で実際に折り上げる方法でも、同じ結果になります(cube-net/engine.test.ts)。

11種類は、並び方で4つのグループに分けられます。「1-4-1」型が6種類、「2-3-1」型が3種類、「2-2-2」型が1種類、「3-3」型が1種類です(6+3+1+1)。 ぱっと見て折れるかを決めるコツがあります。たとえば、2×2の正方形をふくむ形は、どれも立方体に折れません。これもプログラムで確かめた事実です。2×3のかたまりや、まっすぐ1列の形も折れません。 ほかの面とかさなってしまうと、1つの面を2回使うことになり、反対にどこかの面が空いてしまうからです。

展開図の歴史では、デューラーが1525年の本で、正多面体の展開図をのせています。「凸多面体は、必ず展開図をもつのか」は、いまも未解決だと言われています。

積み木はいくつ?(このサイトの「積み木の数え方」)

斜め上から見た積み木の絵を見て、全部で何個あるかを答えます。見える面だけを数えると、足りません。うしろに隠れた積み木があるからです。 この作品では、見る向きの正面にちょうど別の積み木が重なっている積み木だけが隠れます。絵から、その見えない分を考えます。

プログラムで、各問題の答えが「その絵に合う積み方を全部試しても、個数が1つに決まる」ことを確かめました。同じ絵になる積み方が複数ある難しい問題でも、個数は同じです(block-count/engine.test.ts)。 同じ絵なのに個数が決まらない場合もあるので、確認が要ります。問題は、答えが1つに決まるものだけを選んでいます。

折って、穴をあけて、広げる(このサイトの「折り紙の穴」)

紙を何回か折って、穴を1つあけます。広げると、穴はいくつ、どこにできるでしょうか。 1回折ると、紙は2枚重なります。穴をあけると、重なった2枚に1つずつ穴があきます。広げると、折り目をはさんで、鏡に映したような位置に穴がもう1つ増えます。 折る回数を n 回とすると、穴の数は 2 の n 乗倍です。2回なら4倍、3回なら8倍です。

プログラムで、2通りの方法が同じ答えを出すことを確かめました。ひとつは「紙の1マスずつが、折った後のどのマスに重なるか」を前向きに調べる方法、もうひとつは「折り目ごとに鏡映しにして戻す」方法です。 折った後のどのマスにも、元の紙の2の n 乗マスが重なることも、確かめています(paper-fold/engine.test.ts)。 折り目の側は、紙の幅や高さが奇数だと、半分にならないので折れません。

4つの立方体の塔(このサイトの「4つの立方体」)

各面に色のついた4つの立方体を縦に積み、4つの側面のすべてに、4色がそろうようにします。立方体は1つあたり24通りの向きがあるので、総当たりでは 24 の4乗=331,776 通りになります。 このパズルのしくみは、1960年代に大流行したと言われますが、似たパズルは、1900年に特許が出たものもあり、それよりずっと前からあったとされます。 グラフで解く方法が知られています。立方体の反対側の面どうしを結んだグラフを作り、前後と左右の組を、重なる辺なしに見つけるのです。

プログラムで、立方体の向きがちょうど24通りであること、回転が現実の立方体と同じ動きをすること、各セットの解の数を、24の4乗の全部の組み合わせを調べて確かめました。作品の3つのセットは、解の数が16通り、8通り、3通りです(four-cubes/engine.test.ts)。 なお、塔ごとひっくり返したり、塔を回したりして同じになる解は、1つと数えています。

共通すること

  • 動かして確かめる:頭の中で回しにくいときは、少しずつ動かして、確かめます。
  • 見えないところを数える:隠れた積み木、重なった紙、反対側の面。
  • 全部の可能性を数える:35種類のうち11、24の4乗のうち数通り。数えると、安心して言い切れます。

4つとも、このサイトで作った問題です。市販の問題や絵は使っていません。

出典・参考

  • Wikipedia — Net (polyhedron)
  • Wikipedia — Instant Insanity(歴史の部分だけ。商品名は使わない / history only; the product name is not used)
  • Cogniq Fun — src/lib/games/cube-net/engine.test.ts(6マスの形は35種類、うち11種類が立方体に折れる / 35 hexominoes, 11 fold into a cube)
  • Cogniq Fun — src/lib/games/block-count/engine.test.ts(絵が同じでも個数が決まる問題、見えない積み木 / pictures that fix the total, hidden cubes)
  • Cogniq Fun — src/lib/games/paper-fold/engine.test.ts(広げるたびに穴が2倍、2通りの広げ方が一致 / holes double on each unfold; two methods agree)
  • Cogniq Fun — src/lib/games/four-cubes/engine.test.ts(向きは24通り、24の4乗を総当たりして解の数を確認 / 24 orientations; 24^4 brute force confirms the solution counts)

更新: 2026-10-17