数字マスのパズルの仲間たち

「同じ数字を同じ行と列に入れない」という約束から、手がかりを変えて生まれた仲間たち。36人の士官の問題と、オイラーの予想が外れた話も。

ラテン方陣、不等号マス、ビル高さパズル、ミニ・ナンバープレース、白黒マス埋め。見た目はばらばらですが、どれも 「正方形のマスに、同じものが同じ行と列に重ならないように入れる」という同じ土台の上に立っています。 手がかりの種類を変えると、別のパズルになるのです。

ラテン方陣(このサイトの「ラテン方陣」)

n種類の記号を、n×nのマスに、どの行にもどの列にも1回ずつ出るように並べたものがラテン方陣です。 名前は、オイラーが記号にラテン文字(a, b, c…)を使ったことから、と言われています。

4×4で数えると、完成した形は全部で576通りです。このサイトのプログラムで全部数えて確かめました。 1×1なら1通り、2×2なら2通り、3×3なら12通りで、4×4でいっきに576通りに増えます。

ラテン方陣はオイラーが発明したものではありません。オイラーより前にも、魔方陣を作る道具として似た配置が使われていたとされています。 オイラーは、それを体系的に研究した人です。

36人の士官の問題と、外れたオイラーの予想

6つの連隊と6つの階級を組み合わせた36人の士官を、6×6に並べます。どの行にもどの列にも、連隊も階級も1回ずつ出るようにできるでしょうか。 ラテン方陣を2枚重ねて、組み合わせがすべて違うようにする問題です。オイラーはこれを解けませんでした。 そして、盤の一辺が4で割って2余る数(2, 6, 10…)のときは、こういう組は作れないだろうと予想しました。

20世紀の初めに、フランスのタリーが、6×6では不可能であることを、すべての場合を調べつくして示しました。年は1900年とも1901年とも書かれていて、資料によって違います。 ところが予想の残りの部分は外れていました。1959年から1960年にかけて、ボース、シュリカンデ、パーカーの3人が、一辺が22や10の場合に作れることを示し、 2と6を除くすべての大きさで作れることが分かりました。パーカーの発見には計算機が使われました。 36人の問題の答え(不可能)は正しく、その仲間は思ったより多かった、という結末です。

不等号マス(このサイトの「不等号マス」)

ラテン方陣に、「となりのマスより小さい」という不等号の手がかりを足したパズルです。2001年ごろに日本で考えられたとされています。 別の呼び名もあります。このサイトの問題は、どれも解がひとつだけで、不等号と行・列の重なりから候補を絞っていけば解けることを確かめています。 ヒントでは「大きいほうのマスの最大の候補より小さい」のように、理由を言葉にして出します。

ビル高さパズル(このサイトの「ビル高さパズル」)

数字の代わりにビルの高さを入れ、盤の外の数字は「その側から見えるビルの数」を表します。高いビルの後ろに隠れた低いビルは見えません。 こちらもラテン方陣の仲間です。日本のパズル誌で広まったとされますが、考案した人や年ははっきりしません。

4つのビルの並べ方は全部で24通りあります。見える数ごとに数えると、「1」は6通り、「2」は11通り、「3」は6通り、「4」は1通りです(合わせて24)。 これもこのサイトのプログラムで確かめました。「4」ならビルが手前から順に高くなる並びだけ、「1」なら一番手前が最も高い並びだけです。数字が大きいほど、並びが強く決まります。

ミニ・ナンバープレース(このサイトの「ミニ・ナンバープレース」)

9×9のナンバープレースを、6×6(2×3の太枠)に縮めた入門版です。同じ数字は行・列・太枠に重なりません。 ナンバープレース自体の歴史は、「ナンバープレースのはなし」に書いてあります。6×6版を誰がいつ考えたかは、調べがついていません。

白黒マス埋め(このサイトの「白黒マス埋め」)

数字ではなく、黒と白の2色を使うパズルです。サイトの規則は3つ。縦にも横にも同じ色を3つ続けない。各行・各列で黒と白の数を同じにする。同じ並びの行や列を作らない。 仲間のパズルですが、「2色」ならではの手筋があります。たとえば同じ色が2つ並んでいたら、その両側は反対の色です。 起源にはいくつかの説があって、誰が最初かははっきりしません。別の呼び名もたくさんあります。

どれも「ラテン方陣に手がかりを足したもの」

  • 手がかりなし:ラテン方陣。行と列の重なりだけで考えます。
  • 不等号:となりどうしの大小を使って候補を減らします。
  • 見える数:外側の数字から、置けない高さを見つけます。
  • 太枠:行・列に加えて、太枠の中でも重ならないようにします。
  • 2色:数字ではなく、3連続の禁止と個数をそろえる規則で進めます。

どの作品でも、ヒントは「考え方 → 注目するマス → 答え」の順に出ます。行き詰まったら、まず考え方のヒントだけ見てみてください。

出典・参考

更新: 2026-10-17