抗生物質とウイルス

架空の抗生物質は、細菌の「細胞壁」をつくる部分をねらいます。細胞壁のないウイルスには、ねらう場所がありません。効きにくい菌が少し混ざっていると何が起きるかも、乱数のシミュレーションで見ます。

くすりW: 細胞壁をつくる部分をねらう細菌(細胞壁あり)ウイルス(細胞壁なし)

ウイルスの数は、くすりがあってもなくても変わりません。ねらう細胞壁がないからです。ウイルスに効く薬(抗ウイルス薬)は、別の場所をねらうものです。

01000200006121824時間(ステップ)▼くすり開始
ふつうの菌(くすりが効く) 効きにくい菌 ウイルス

ふつうの菌(くすりが効く): 1

効きにくい菌: 1999

ウイルス: 400

細菌の中の、効きにくい菌の割合: 100%

くすり: はたらいている

最初は 1% だった効きにくい菌が、くすりのあと、生き残りの中で 100% になりました。ふつうの菌が減った分、残った効きにくい菌が増えています。

数は乱数で決まる簡略モデルです(種を決めてあるので、同じ設定なら同じ結果になります)。

「耐性」を持つのは菌のほうで、人の体が耐性になるわけではありません。この絵では、効きにくい菌が最初から少し混ざっていて、くすりで数が減ったあとに残りが増えます。実際の耐性のでき方は、もっと複雑です。

くすりを使う期間は、この簡略モデルの都合で決めた長さです。ここから、薬をいつまで使えばよいかは分かりません。

どのくらいの期間飲むかは病気と薬で違います。処方した医師・薬剤師の指示と添付文書にしたがってください。自分の判断で量や期間を変えないでください。症状がよくなっても、自分の判断で飲むのをやめないでください。

風邪など多くの病気はウイルスが原因で、抗菌薬は効きません。抗菌薬をいつまで飲むかは、病気と薬によって違います。医師・薬剤師の指示にしたがってください。

遊び方

「自動」で、時間が進むにつれて細菌とウイルスの数が変わるようすを再生します。「くすりあり/なし」で比べ、最初に混ざっている効きにくい菌の割合も変えられます。下のスライダーで好きな時点に戻って見られます。名前も数字もすべて架空です。

もっと知る

抗菌薬が効くのは細菌による感染症で、風邪やインフルエンザのように、ウイルスが原因の病気には効かないとされています。ペニシリンなどのβラクタム系は、細菌が細胞壁をつくる最後の段階で働く酵素に結合してじゃまをします。ウイルスには細胞壁がないので、この狙いどころがありません。抗菌薬の種類によって、狙う場所は細胞壁のほかにもあります。薬剤耐性(AMR)は、細菌などが抗菌薬に反応しなくなることで、使い方が不適切だったり必要でないときに使われたりすることが要因のひとつとされています。1928年にアレクサンダー・フレミングが、カビが細菌の増殖をじゃますることに気づき、のちにハワード・フローリーとエルンスト・チェインらのチームがそれを治療に使えるものにしたと説明されます。

読みもので詳しく: くすりが効くしくみ →